前章まで、私、伊東聖鎬のセミナーやスクールに受講している医療者やセラピストの声をインタビュアーのライター板山さんに紹介してもらいました。
彼らの声を通して、私が何のために、何を、医療者やセラピストに指導しようとしているのか、概略をお伝え出来たと思います。
ここから、私が医療者やセラピストの皆さんにお伝えしたいメッセージ、そして「CW Happiness Philosophy 読脳」について語ります。
YouTube読脳チャンネルで動画を配信するようになったのは2011年です。
最初の頃は、現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状の人を対象にしたワークショップやセミナーで行なった臨床を配信していました。
現在は1700本以上の動画を紹介しています。
半分以上が私の講義で、病気や症状だけでなく、人生や生き方、考え方等フィロソフィを配信しています。
臨床の動画は、誰が見ても奇跡のようなことが繰り広げられています。
その一部を紹介します。
激しい手足の震えが、原因部位にタッチするだけで止まった!
帰りは車椅子を押して笑顔で歩いて帰った
神奈川県横浜市 Kさん(当時72歳/女性)
主訴:パーキンソン病
15年前頃から震えが起こり、60歳の時パーキンソン病と診断されたそうです。徐々に進行し、激しい震えと体の硬直で、体の自由が効かないということでした。
最近では頻繁に転ぶようになり、この日も車椅子で息子さんと介護の人に付き添われてワークショップに参加されました。
講義中ずっと、手足の震戦は続いてました。
Kさんの自己紹介を聞きながら、読脳で原因部位を読み出し、隣に座っている息子さんに左胸部(左肺の上部)を触っていただきました。
左胸部をタッチすると手足の激しい震戦がおさまってきました。
次に読み出した左腎臓を触ると、左手の震えがかなり小さくなりました。
さらに読脳し、左右の肺上部、左右の腎臓、左右の脳、左右の蝶形骨を4人がかりでタッチしていただきました。
するとほとんど震えはなくなりました。
この日、Kさんは最後には走れるようになり、車椅子を押して笑顔で帰っていきました。
「もう杖はいらない!」脳梗塞の後遺症の柔整師がその場で走れるまでに改善!
福岡県 柔整師Aさん(当時83歳/男性)
主訴:脳梗塞の後遺症
2013年12月15日、福岡で開催した医療者対象セミナーに、脳梗塞の後遺症を訴える医療者(柔整師)が参加されました。
約半年前にラクナ梗塞を起こし、処置が速かったために言語障害は良くなりましたが、左手と左足の違和感が残っているということでした。
リハビリのつもりで整骨院を再開したけれど、階段を降りるのが怖い、歩きはじめにバランスを考えながらでないと足が出ないなど、とても不便な状態が続いているということでした。
そして、セミナー当日の朝、脳梗塞が再発したような症状が発症したというのです。
歩いていただくと、杖をついておぼつかない歩き方です。
読脳すると、脳梗塞を起こす約3ヶ月前に「脈管機能障害」を起こしていたことが分かりました。
そこで、脈管機能障害の原因である重力バランス軸や支持骨の調整を行ないました。
たった何カ所かの調整で、杖なしで走れるまでになりました。
本当に顎の骨切り手術が必要?
顎に触らずわずかな時間で、反対咬合が良くなった
大阪府 Tさん(当時13歳/女性)
主訴:反対咬合 (下顎前突)
2015年9月13日大阪ワークショップにて。
下顎が出てきて、上下の前歯が先端で当たり、歯ぎしり、頭痛がするというTAさん。
矯正歯科で相談したところ、顎の骨切りを勧められ、本当に手術が必要なのか?
と迷ってご両親と3人でワークショップに参加しました。
歯科では、上顎は動かないと考えられています。
だから、下顎を上顎にあわせて短く切るという発想になるのです。
しかし、読脳すると、下顎の位置は正常(本来の位置にある)で、上顎が後退していると出たのです。
改善すべきは、上顎だったのです。
読脳で読み出した情報は、Tさんの上顎を前に動かすには、右膝のお皿(膝蓋骨)を手前に引っ張るでした。
そこでTさんにその通りにやってもらいました。
約1分ほどするとTさんは、「上顎が動いてきた」と言い出しました。
さらに、右膝のお皿を手前に引っ張り続けると、顎は切端咬合(上下の前歯が合わさる)まで移動しました。
さらに効果が出る部位と刺激方向を読脳し、読み出した情報通りに、肩鎖関節鎖骨部と左膝を押すと、とうとう上顎が下顎よりも前に出てきたのです。
撮影している動画の映像を見てもはっきりその変化は分かりました。
歯科では動かないと考えられている上顎が、顎に一切触らずに、わずか数分で動き、下顎前突が改善したのです。
良くなるということの設定は患者さん自身にしかできない
YouTubeの配信を始めた頃は「ヤラセではないか」「さくらだろう」という人がたくさんいましたが、配信数が増えてくるにつれ、そんなことを言う人はいなくなっていきました。
「骨折した子供の動画を見ました。腕をつってちょっと動かしても痛そうにしていたのに、伊東先生がちょっと足を調整しただけで『痛くない!』といい出し、腕立て伏せを一緒にやりだしたのには驚きました。
子供は嘘をつけないので、これは本物だと思ってセミナーに参加しました」
という医師もいました。
YouTube動画の配信を始めてからは、YouTubeを見て講義に受講する医療者が増えていきました。
そんな彼らに受講目的を尋ねると、異口同音に言うのが「患者を良くしたい」という言葉です。
「伊東先生のYouTubeを見て、驚きました。
私も読脳を学んで、難治、難病の人を良くしてあげたいんです。
どこに行っても良くならない人を治せる技術を学びにきました」
と言うのです。
そこで私は質問します。
伊東:良くするってどういうことですか? どうなれば治ったというのですか?
受講者:症状がなくなれば良くなった、治ったということになるのではと思うのですが……
伊東:どれくらいの期間、症状がなくなれば良くなったと言えるのですか? 10分ですか? 30分ですか? 1時間? それとも半日?
受講者:……。
良くしたい、治したいと言いながら、どういう状態を良くなっているというのか、どうなれば治ったというのか、あいまいなのです。
しかし、医療者にそれが分かるわけはないのです。
良くなる、治るということの設定は患者さん自身にしかできないのです。
今ある症状を辛いと訴えるのも患者さんなら、良くなったというのを決めるのも患者さんです。
たとえ、傍目には変わっていなくても本人が良くなったといえればそれでいいのです。
しかし、患者さん自身もそれが分からないのです。
自分の身体のことなのに人任せなのです。
身体のことに限らず、人生における様々な問題が起こっても自分で考えることもできず、親や友人、教師や専門家に答えを求める。
自分のことなのに自分で責任をもとうとしない。
今、日本の社会はそんな人で溢れています。
なぜ、こんなにも人任せが蔓延しているのか。
なぜ、自分で考えることができないのか。
まずはここを考える必要があると思います。