4話 現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状に対して、医者は何もできない

薬は病気を治しているのではない

同じ保険診療システムの中で、医師の場合は歯科医師とは違う行き詰まりを感じているようです。

かつては、病院は病気を治してくれる所、医者は病気を治してくれる人、薬は病気を治すもの……。
誰もがそう信じている時代がありました。
しかし本当にそうだろうか?
そんな疑問を国民が、そして医師自身が感じるようになってきたのです。

2015年セミナーに受講された栗田誠さん(医師)は、群馬県で泌尿器科の医院を開業しています。
栗田さんは次のように話します。

「治るということで病院から縁が切れると患者さんは考えているかもしれませんが、縁が切れることはないですね。
薬を使っているから病気・症状が良くなったように思っているだけで、薬をやめれば元に戻ってしまいます。
また症状が出れば薬が必要になりますからそんな意味において、病院から縁が切れることはないというわけです。
『それじゃ治ってないじゃないか』と言われればその通りです。

医者になりたての頃は、自分が処方した薬が効いて、『良くなった』と言われることが非常に嬉しかったです。
でも、抗生剤などすぐに効き目がわかる薬以外は、服用を続けてもらってもどの程度良くなっているのかが分かりにくいことが多かったです。
外科手術ではすぐに結果が分かり良くなる人が圧倒的に多いのですが、中には思ったより良くならない人もいるので、『それは何故だろう?』と疑問を感じていました。

また、ガン患者も多く診ますが、治せることもあれば治せないこともあります。
抗がん剤を使ってもうまくいかないこともあり、『どうしたらいいのか?』ともやもやしていました。
そして、『今まで習ってきたことだけでいいのだろうか?』という思いが、だんだん頭をもたげてきて、『何か他の手段はないのか?』と模索していました。

といっても、保険診療システムの中では、どうしても限界があります。
患者さんは医者に依存するだけですし、医者側は科学第一主義の中で、『こうすれば絶対大丈夫』という枠があって、そこから外れたケースになると他に手段がないので、医学や医療で治せない病気・症状に対しては何もできないんです。
安全パイの中で決まったことだけをやるしかなくなります。

でも、それだけではダメだろうと思う私のような人間もいます。
リスクを冒してまでやっているわけではないのですが、もうちょっと良くすることができないだろうか、と思いながらいろいろなことを試行錯誤していました。

そんな中で伊東聖鎬先生に出会ったわけです。

医学では理解できない病気・症状

私は基本的に、どんな方法でもいいから病気・症状が良くなればいいと思っていますので、西洋医学だけにこだわらず、可能性があるものは取り入れていきたいと考えていました。
でも、伊東先生の臨床をYouTubeで最初に見た時は、『きっとサクラの人が演技しているのだろう』と思っていました。
現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状がその場で良くなってしまうのですから。
でも実際に伊東先生の臨床を見るチャンスが何度かあり、病気・症状が良くなった人を間近に見て、演技ではないことがわかり、納得しました。

私も伊東先生から学んだことを、診療の中に取り入れているのですが、四十肩に悩んでいた患者さんに対して、伊東先生が美容師さんに指導しているヘアカットセラピーを真似てやってみたらうまくいって、患者さんがその後も『調子いいよ』と言うのです。
その後もいろいろな患者さんに試しています。
髪の毛を少し切っただけで良くなったことに対して『何故ですか?』と聞かれて、あまりうまく説明ができませんでしたが、『痛い部分に原因があるのではなく原因は脳の中にあるので、髪をカットすることでそこに刺激を与えただけですよ』と言っておきました。
それで何となく納得する人、?マークがいっぱいになる人、いろいろです。

めまいの人には、距骨の調整をして浮き沈み調整シールを貼ってあげれば自然に良くなります。
浮き沈み調整シールだけでめまいが良くなる人もいます。
自分でも不思議だなぁ、と思いながらやっていますが面白いです。

医学では説明がつかないけれど、こんなことで良くなってしまうという事実を、多くの人に伝える懸け橋になれればいいなと思っています」