「もう、医療者を辞めたいんです!」
この言葉をこれまで何度聞いてきたことか。
そして、後に続く言葉は決まっています。
「でも借金があって……、やめたくてもやめられないんです」
私は40年以上にわたり、医師、歯科医師、柔整師、鍼灸師、カイロプラクター、整体師、その他さまざまなセラピストに指導を行なってきました。
これまで7000人以上の医療者、セラピストが私の開催するセミナーを受講しました。
2016年からは、海外の医療者への指導もスタートしました。
2016年開催したブラジルコースは250名、2017年3月600名、メキシコ300名、9月ブラジル300名、2018年11月メキシコは200名の受講者が受講しました。
2019年はチリ、ブラジル、メキシコ、イギリス、ドイツ、オーストリアで、2020年以降は北米、欧州、オーストラリアでも開催が予定されています。
海外の受講者も、ほとんど医師、歯科医師等の医療者やセラピストです。
そんな医療者達に私は何を指導しているのか。それは治療技術ではありません。
「目の前にいるその人の脳の情報を読む-読脳法」です。
私が医療の世界に入ったのは1973年、26歳の時でした。
きっかけは当時2才の知的障がいの姪を良くしたいという思いからでした。
姪は現代医学・現代医療で良くならないと言われ、東洋医学だったら可能性があるのではないかと考え、鍼灸学校に入学しました。
しかし、鍼灸学校で教えるものは国家試験に合格するための勉強で、姪を良くするのに役立つようなものはありませんでした。
私は鍼灸学校に通いながら、さまざまな療法を実践で学ぶことにしました。
その中にリンパマッサージがあります。
創始者紺野義雄氏の研究所に入所しました。
また、森下敬一博士のお茶ノ水クリニックの物療科にも入りました。
しかし、それら治療の現場で行なわれていたことは、私が考えていたものとはかけ離れていました。
目の前のその人に関係のないところで学んできた技術や治療法を押し付けるだけのもので、効果が無ければ、別の方法を施す、それがだめなら…を繰り返す。
そんな当たるも八卦当たらぬも八卦的な治療に疑問を感じていました。
お茶ノ水クリニックに来院する患者さんは、公害病を始めとした、現代医学や現代医療では治療法がないという慢性疾患を抱えた人がほとんどで、定期的に通って来ていました。
長く通っていても毎回同じような治療を施すだけで、もっとその人がもっている情報を知れれば、的確な治療ができるだろう。
しかし、患者さんと医療者の間にコミュニケーションはほとんどありませんでした。
そしてそんな治療にもかかわらず、医療者側は「良くなっている」「良くしてやった」と考えるのです。
私は「本当に患者さんは良くなっているのだろうか?」と疑問をもつようになっていきました。
夜間の鍼灸学校に通っていましたから、お茶ノ水クリニックでの仕事を終え、学校へ向かう途中、患者さんと駅まで一緒になることが多く、思い切って聞いてみました。
「私は学生で勉強中なので、後学のために知りたいのですが、症状は良くなっているのですか?」
するとほとんどの人が「良くなっていない。でも先生が良くなっているというから逆らう訳にもいかない」「やってもらっているから悪くて言えないけれど、実はあまり良くなっていないと思う」というのです。
医療の世界は「私やってあげる人、私やってもらう人」という構図が出来上がり、患者さんは不満や本音を言いたくても言えないのです。
それは、当時も今も変わっていないと思います。
それが、医療不信、医療離れという結果を生んだのだと思います。
「病気・症状」は、医学と全く関係のないカテゴリー
既存の技術や治療法を誰に対しても同じようにあてがう、そんなやり方でも良くなる人はいます。
そんな人はそれでいいのです。
問題は良くならない人はどうしたらいいのか、ということです。
様々な病院や治療院を回っても良くならない。
行き着くところは、心療内科や精神科。
そして薬漬けになり、今度は薬の副作用に苦しみ続ける。
そんな現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状を抱えている人は、決して少なくありません。
医学が進んでいるといわれているのに、そんな人は減ることはありません。
それは医学や医療で良くなるというカテゴリーではないからです。
私は45年以上にわたる研究で現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状の根源的な原因を突き止めることができました。
そんな人に対しては医学や医療とはまったく違う取り組みが必要なのです。
それは、その人のことをもっと知ることから始めることなのです。
病気や症状はその人に起こっていることです。
その人の生い立ち、現在の立ち位置や、未来のこと、どんな考え方や生き方をしているのか……。
その人は他の人とは全く違うその人なのです。
その結果、その人が今、辛い、苦しい、なんとかして欲しいと訴えているのです。
実は、病気や症状はその人の脳からのサインなのです。
そんな病気や症状を、他人が良くすることなどできるはずもないのです。
やるべきは、患者自身が脳からのサインの意味を知り、どう受け止めどう取り組むのかなのです。その協力なら医療者も行うことはできます。
私が医療者に読脳法を指導する目的は、現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状の人に協力できる人を育てるためです。
しかし、これまでセミナーを受講した医療者の目的は、「自分が食べていけるように、患者を集めることができる技術や治療法を短期間で学びたい」でした。
このずれはどうしても埋まることはありませんでした。
しかし、40年以上活動してくる中、受講者の中には私の話を理解し本当に人の役に立ちたいと考える医療者も、ほんの僅かですがいました。しかし、そんな人には大きな障害がありました。
それは「借金の問題」でした。
医療者こそ被害者
「家族を養い食べていくために、相手不在の治療を行なっている。
こんなことで良くならないと分かっているけれど経営のために誤魔化し相手を騙し、自分も誤魔化す。
そんなことを続けることで自己嫌悪に陥り、やる気もわかない。
こんな治療はやめたいけれど、借金を返すためにやめるわけにいかない…」話をきくだけでもやるせない、そんな生活を送っているというのです。
当初、「自分に関係のない知識や技術を押し付けられる医療」を受けることで被害者になり、どこにも行き場がなく苦しんでいる人に協力できる人材を育成しようという目的でスタートした医療者対象のセミナーでしたが、実は、医療者こそ被害者なのだということが分かったのです。患者だけでなく、医療者にも協力しなければと、私は考えるようになりました。
医療の道を進んだ理由は人それぞれだと思います。
家業を継ぐため。資格を取れば食べることには困らない。
性別や国籍に関係なく稼げる。
そんな理由だったのかもしれません。
しかし、中には人の役に立ちたいという思いで医療の道を選んだ人もいるのです。
そんな人は、もともとそういう役割をもっている人なのでしょう。
しかし、現実の医療はそんなに甘くはなかったのです。
自分の役割を果たせる分野ではないことが分かり、それで落ち込み、自分本来の生き方を見失ってしまっている……。
もしあなたがそんな状態になっているのなら、私は協力できると思います。
あなたと同じように行き詰まり、私のセミナーを受講した医療者達の中に、これまでと違う新しい道に進もうとする人達が出てきています。
彼らは自分の納得できる人生に向かって舵を切ろうとしているのです。
そして今回彼らの声を通して、人の役に立ちたいというあなたの思いを活かせる道を提案できたらという思いから、このブログを開設しようということになったのです。
本ブログが少しでもあなたの役に立てることを願っています。