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1話 サラリーマンをリタイヤして医療者になろうと勉強したけれど…… 〈インタビュー&対談:平吹謙治 VS 伊東聖鎬〉

前章で紹介した橋本さんと同じく講師をめざし、スクールの本科に入学した仙台の平吹さんは、サラリーマンをやめて医療者の道をめざす途中、「CW Happiness Philosophy読脳」に出会いました。

本書の制作のために、私、ライターの板山がインタビューを始めたのが2017年8月末頃でした。
その第一歩が、仙台に住む平吹謙治さんでした。
取材には、「CW Happiness Philosophy読脳」の開発者・伊東聖鎬氏も同席し、インタビューの予定が対談になり、貴重なレクチャーを得ることができました。

東京都内の会社にシステムエンジニアとして勤務していた平吹謙治さんは、2014年3月早期退社しました。
サラリーマン時代から整体やびわ灸などに関心があり勉強してきましたが、その技術を生かしてリタイヤ後の人生を治療家として生きようと考え、2015年1月、仙台の自宅で治療院を開業しました。

そして、自らが治療家としてやっていくための道を模索していた時、伊東氏のセミナーを受講し、これからの方向を考えるようになりました。
そんな平吹さんに、「なぜ治療家になろうと思ったのか」「これからどのようにしていきたいのか」などを伺いました。

途中、伊東氏も加わり充実したインタビューになりました。
この会話の中に、これからの医療者・セラピストの進むべき方向が示されていると思います。

医療者を志した経緯、伊東聖鎬との出会い

板山(インタビュアー):平吹さんは早期退社して治療院を開業しましたが、なぜ医療者になろうと思ったのですか?

平吹:祖母がお灸で周囲の人達を助けていたのを見て育ちました。
自分もお灸をすえてもらい、いろいろ良くなったという実感があったことから、興味・関心をもつようになっていきました。

板山:平吹さんは整体とびわ灸のほかにもいろいろな治療法を学んできたそうですが、他にどんなものを学んできたのですか? 
そして、それらを学ぶための費用はどのくらいかかったのですか?

平吹:治療関係、温灸関係合わせて約120万円、加圧トレーニング器インストラクター資格と器機購入費約100万円、経絡を測る器機購入費60万円など、全部で約300万円くらいです。資格免許は、経絡整体、温灸、加圧トレーニングインストラクターなどです。これらは伊東先生に出会う前に勉強したものです。

板山:伊東先生と出会ったのはいつ頃ですか?

平吹:2015年11月頃です。
治療院を開業して間もなくの頃です。
きっかけは、兄が脳梗塞の後遺症で体が不自由になり、何とか良くなる方法を探していました。
知り合いの整体の先生から紹介されて山形の美容院で開かれたワークショップに参加しました。

板山:ワークショップに参加して、伊東先生がやっているのを目の前で見て、どう思いましたか?

平吹:とにかくびっくりしました。
今まで出来なかった動きがスッとできるようになったり、弱いほうの筋肉が太く、強くなったり、と驚きの連続でした。
その効果がヘアカットセラピー(美容院で髪の毛をカットする)によって1ヶ月も続くということや、また指を少し曲げただけで(体が)変化するなど、今まで見たことも聞いたこともないことがそこで起き、ビックリしました。
なぜ、そういうことが起きるのか、いくら考えても分かりませんでした。

板山:伊東先生に出会う前に勉強してきた治療法でお兄さんを治療していたのですか?

平吹:体をほぐすということはやりましたが、それ以上やってもかえっておかしくなってしまうのではと、怖くてあまり手を付けていませんでした。
病院に通ってリハビリもしていましたが、リハビリの内容を見て、「え? 」と思いました。
自分のできる部分ではしていましたから、病院のリハビリを見た時、何をしようとしているのかわからない状況でした。

板山:伊東先生のセミナーで目の前で起きたことを、今まで自分が勉強してきたことと比べてどう思いましたか?

平吹:今まで習ってきた技術では兄の体を良くすることはできませんでしたから、これをこのまま続けていてもダメだろうとは分かっていました。
でも、体にも触らず、髪の毛を切っただけで良くなるなんて……、これはいったいどう考えたらいいのかと思いました。
それで、「これは勉強しなければ! 」と思いました。

「哲学」に基づく「技術」

板山:今まで受けてきたいろいろなセミナーと伊東先生のセミナーはどのように違いましたか?

平吹:それは、伊東先生の場合は技術ではないということです。
技術はもちろんあるのですが、それは哲学に基づいたものであるということ。
病気等の症状の原因は、人により区々であり、それぞれの人に向き合い、それぞれの原因を探し出し、その人の未来をどのようにしていくのが良いか読んでいくというもので、「この症状ならこうだ」、「この病名の人はここをこうすれば良くなる」という次元のものではなかったということです。

板山:平吹さんはこれまでにどんな症状の患者さんを診てきたのですか?

平吹:成長痛や腰痛などです。

伊東:そういう症状を診ていても能力は上がりませんよ。
そういう症状を診てくれる治療院は周りにいくらでもあります。
現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状に特化した方がいいですよ。
ずっと価値がありますから、求めている人が東北中から来るようになりますよ。そんな難しい病気、症状を抱えている人に応えられるようになることですよ。
そうなれば、1日2~3人でも経済的にやっていけるようになります。
そういうことを目指すのなら、勉強のしがいもありますよ。
今まで勉強してきたものは、何十人も一緒に受講して、聞いていようがいまいが、その場にいれば認定してくれる……。
そんな認定をいくらもらってもまともな治療はできないですよ。
中身を求めなければ。
これまでのスタンスでは中途半端ですね。
切り替える必要がありますよ。

医療者は患者を「食い物」にしている

板山:医療とは何か、「CW Happiness Philosophy 読脳」メソッドを学ぶ前と後で考え方はどのように変わりましたか?

平吹:伊東先生の話を聞いて、改めて医療者は患者を見ていないと思いました。
今までも医療者とはそういうものだと思っていたものの、あまり気にとめていませんでしたが、それはおかしいと思うようになりました。
難しい病気・症状をもつ人が病院に行き、薬を飲んでますますひどい状態になっていったという体験談をワークショップで聞いて(医療の)怖さを感じました。

伊東:僕は医療者の前でいつもはっきり言います。
「皆さんは患者を食い物にしています。病気・症状で食っているから治ったら困る。だから最初から治す気はないんでしょ。そして結果的に治ってない。病気・症状で食べていこうと思うから、本当に良くなるような技術も必要ない、ということですよね。おかしな職業ですね」と。

板山:病気・症状とは何かについて、「CW Happiness Philosoph読脳」メソッドを学ぶ前と後で、平吹さんの考え方はどのように変わりましたか?

平吹:以前は、生活習慣や環境、食生活などが一番大きく影響していると思っていましたが、「CW Happiness Philosoph読脳」を学んで、「本来生きるべき自分とのズレ」が病気・症状を起こす最大の原因であることを知りました。
「どういうことで病気になり、どういうことで良くなるのか」の探求が「CW Happiness Philosoph読脳」メソッドの特徴ですね。

伊東:自分らしく生きていないことの結果として、病気・症状という形で現れるのです。
人は「存在する意味・理由・必要」があるから生まれてきたのですから。
そして「元」の世界と繋がっているから生きていられるのです。
しかし、その繋がりがもてなくなってきたからそうなった。
医療者は病気・症状に関わろうとしているが、「その人の存在」には関わろうとしません。
私はその人の存在に関わり、その人の「存在する意味・理由・必要」に関わりたいのです。
読脳でその人の脳を読んで、どのようなシステムになっているのかを知れば、どこからズレてきたのかが分かり、病気・症状が起きたきっかけを見つけることができます。
その人にとって病気・症状が必要ないものであるなら、それを無くすことに私は協力を惜しみません。
でも、私は病気・症状を良くすることが専門なのではなく、「その人が自分らしく、本来の自分に与えられた情報通りに生きられる」ように協力することが専門なのです。
その過程で病気・症状が良くなるというのは、結果にすぎません。

症状は、本来の自分に気付くためのチャンス

板山:人の役に立つとはどういうことだと思いますか?

平吹:その人の人生に関わり、その人の本来の道を示してあげられれば役に立つことができると思います。
以前の私は、治療でその人の痛みを取り除いてあげることが人の役に立つ良いことだと思っていました。
でも、伊東先生から、
「それは本当はその人の役には立たないどころか、むしろ邪魔をしているということ。なぜなら、痛みはその人が本来の自分の生き方に気付けるチャンスであり、痛みを取り除いてしまったら、その人が本来の自分らしい生き方をしていくための指標を潰してしまうことになる」
というお話をいただき、あまりの違いに驚愕し、かつ混乱しました。
今は、私が勉強している読脳とは、その人の脳にアクセスして病気・症状などの形で出ているサインの意味を読み解き、その人が本来あるべき道を歩んで幸せを掴んでいけるようにお手伝するものだと思っています。
私ももっと勉強を深めてそのようなことができる人間になりたいです。

伊東:そうです。今言ったことが、人の役に立つことですよ。
でも、医療者はそういう考えをもっていません。
医療者は人の病気・症状で食っているのですから、病気・症状を良くすることはしません。
皆が良くなってしまったら、医療者は食えなくなりますから困ります。
そういう種類の職業であり人種ですから、人の役に立つなどという発想はありません。
ただ借金を返すために経済を回す、それだけのためにやっているにすぎません。

板山:なるほど。
だから、病院に行くとますます病気・症状が悪くなるのですね。
薬を飲めば飲むほど病気がひどくなった、という話をよく聞きますね。

人が人に関わるということ

伊東:志のない人間が医療の世界に入るのです。
資格さえ取れば何とか食っていけると考え、そして大金を払って学校に入る。
でもそこには何もないんですよ。
医療者の99.8%は経済が目的です。
そうでない人は1000人のうち2人。
つまり、500人に1人しかいないんです。
私は経済が目的じゃなかったからこういう方向に来れたのです。
本当の医療とは私が言っている分野のことです。
大多数の人は経済が目的になってしまっていますから、良い結果など出てくるはずもありません。
医療を行なう者は、脳の奥の方で感じるものがないとダメなんです。
だから私は500人に1人の、本当の意味で人の役に立ちたいと求めている人に、「CW Happiness Philosoph 読脳」を指導したいのです。

平吹:今の日本は良くない方向に行っているように思います。
でも、少しでも多くの人に読脳が広がっていけば、日本全体が良い方向に変わるかもしれないと思っています。
伊東先生の言葉を噛みしめて、これからの自分のスタンスをしっかり決めていきたいと思います。
そして人と関わるためのコミュニケーション力を上げていきたいと思います。

伊東:人と関わる以上は、その人の人生のスケジュールを読み出してあげることです。
元々の自分からズレてきたことで病気・症状が出てきた。
そうなったきっかけを、脳の情報を読み出し、どのように変えていくかを指導する、つまりその人の人生と関わることです。
人が人に関わるのはそれしかないんです。
腰痛の治療なんかやっているより面白い。
深入りしないで上辺だけでやっていても意味がないですよ。
もし本来の自分の生き方と違っていたなら、それを言ってあげないと。
親にも誰にも相談できない。
それは我々読脳ができる人間にしかできないことです。
我々はそういう立場です。
そういう意味で「CW Happiness Philosoph 読脳」メソッドを学んで欲しいのです。
平吹さんの治療院は、「読脳相談室」としてやっていく方が、価値があると思いますよ。
「病気・症状があるから来る」ではなく、「自分は本来の自分の生き方からズレている、自分らしく生きるためにはどうしたらいいかを知るために相談に来た」がいいのです。
それができるようになれば東北中から人がやって来ますよ!

平吹さんは、伊東氏との対話の中で、人の役に立つということは、決して病気・症状を無くすことではない、と気付きました。
本当の意味で人の役に立つということは、病気・症状を起こした原因を探求し、その人がこれからどのように生きていくのかという人生の方向を、一緒に探してあげることなのだと分かったようでした。
そのためにもその人の未来が描けなければならないのです。
しかし、その人の脳の情報が読めなければ、病気・症状の本当の原因にたどり着くことはできないし、人生の方向を見つけ出すこともできません。

読脳法を身に付けて、現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状に苦しむ人の役に立ちたいという思いで、平吹さんは2018年読脳アカデミー・CWインターナショナルスクールに入学し、現在2年生です。

スクール入学前は、CWのセミナーや合宿で学んでいた平吹さんですが、一つの転機になったのが、2016年に参加した「読脳スキャン&フォーカス合宿」だったそうです。

「読脳カフェ」という目標

「伊東先生との出会いによって、これまで自分が考えていた医療者の方向に疑問をもつようになりました。
今後どのように進みたいのか、正直迷っていました。
そんなタイミングで参加した合宿で、一つの方向性として読脳カフェを開き、読脳を指導する教室を開催するという目標が見つかりました。

合宿の講義の中で、支配する側の都合で本来の自分らしい自由な生き方から離れてしまっているということを訴えるサインが、現代医学・現代医療で良くならない難治な病気・症状であり、それに協力することが医療者の役割だと、伊東先生は話されました。

私自身、サラリーマンとして色々なしがらみがあり、自由な生き方ができたわけではありません。
そこから抜け出し、せっかく自由に生きられる立場になったのに、医療者としてまた縛られる生き方をしようとしていたことに気づきました。

私がやることは、治療院ではなく、悩んでいる人、苦しんでいる人が、自分で脳の情報を読めるようになり、自分で問題を乗り越えられるよう協力することなのだと気付いたのです。

そのために読脳を指導できる能力を身につけ、読脳カフェや教室を開くための認定をいただきたいとスクールで学ぶことにしたのです。

読脳アカデミー・CWインターナショナルスクールには、さまざまな職業の人が学んでいます。
理・美容師、音大の声楽科講師、プロの演奏家、エステシャン、大学講師、自営業、経営者、歯科医師、鍼灸師、治療家、介護士、看護師、主婦、学生等々。
そんな人達と関われることは、大変刺激があり、勉強になります。

スクール入学前に、東京ビックサイトで、スクール生の理・美容師の皆さんが、ヘアカットセラピーの実演を行なっているのを、一日じっくり見学させていただきました。
その的確な話術、信頼関係の作り方、読脳の早さ、そしてその効果に舌を巻く思いでした。

医療とは違う現場、理容・美容の世界で、いろいろな不定愁訴を改善出来るという発想は突飛だったと思いますが、それを希望して勉強される方がいること、そして勉強を始めてまだ半年くらいで、高い効果を出されていることに大変驚きました。
人の役に立ちたいという強い気持ちを元々もっておられ、また本業の仕事で収入を得られるので、純粋に役に立ちたいという曇りの無い状態で、読脳が出来るのだろうなあと感じました。
整体を生業にしている私は、人の不定愁訴で食べている部分もあり、なかなか越えがたい壁のようにも思われました。
この壁を越えてゆくには、治療で食べていくのではなく、患者さん自身で良くできるよう指導していく事、指導する立場に立てることだと、伊東先生から何度も聞いていましたが、最近やっと意味が分かってきました。
 これからは、講師としてふさわしい自分になるために学んでいきたいと思います」

平吹さんがめざしている、読脳カフェ。

読脳カフェとは、人生の悩み、人間関係、仕事のこと、家族のこと、病気や症状などで、行き詰まっている人がカフェに来訪します。
そして、そんな人の脳の情報を読み、その人が望んでいる状態を実現することができる情報を持っているハーブやコーヒー豆を選んで提供するサロンのことです。
読脳カフェでは、来訪する人とコミュニケーションし、「どう生きたいのか、どうなりたいのか」についてその人の脳に問いかけ、脳が反応した情報を読んで、伝え、そのの上で指導していきます。
ある意味では、新しい形の人生相談かもしれません。

困ったときに病院や治療院に行くのではなく、自分の答えを求めてカフェに行く。

そんな新しい分野を世界に広げようと、読脳の指導ができる人を育てるために、読脳アカデミー・CWインターナショナルスクールを開校したのです。

スクールで学んで認定を受けた人は読脳カフェの開設や教室を開催することができます。